警告


お願い
僕に触れないで
皮膚はからからに乾涸びている
どうか僕に触れないで

お願い
僕に気付かずにいて
心臓が泥のように爛れている
僕に気付かずにいて

存在は(かす)
生は幻
世界のほんの端っこを怯えている
小さいよ愚かだよ

ああどうか
僕の名前を呼ばないで
知もなく(ひそ)かな泡となる
僕の名前を呼ばないで





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