沈黙
(
しじま
)
寂しさが罅割れる
円
(
つぶ
)
らな夏の日
凍
(
こご
)
る
白
(
あか
)
るい真昼の隣で
花木槿
(
はなむくげ
)
は息を止める
青いセロハンはペッたりと
僕の睛に張り付いて
ふと
死を模倣してみる
温く湿った神の手が
世界をゆっくりと絞殺する
過去も未来もきみも僕も
ここにはいない
空ちかい白いフェンスに
風がひとつ置き去りだ
Copyright(C)2006 溷六